「工房おりをり教室 手しごと展」に向けて その1

「手しごと展」を目前に、展示作品の製作過程や工房の様子をを2回に分けて公開します。


1:福島の糸つむぎプロジェクト。

 前回の作品展の直後から温めはじめ、昨年3月の震災を機に始まった「福島の真綿を福島でつむぎ、糸にする」プロジェクト。福島といえば絹の産地という歴史があり、保原の真綿、川俣の絹織物に加えて、手紬の糸を仕事として残せないものかという思いからスタートしました。
 今回はその思いで真綿を糸に紡いできました。その糸のお披露目として今回、手しごと展と合わせて皆さんにご覧いただきたいと思います。


織物の糸に最も詳しい、京都の下村ねん糸さんにご指導いただきました。


福島の真綿(絹の一種で蚕の繭を引き伸して綿にしたもの)。
下の大きいものが「角真綿」、左上の小さいものが「入金真綿」


真綿を茜で染め、みんなで糸に紡いでいきます。


織り上がりをイメージしながら一本一本、縦糸を準備していきます。



おおよそ1年という期間でしたが、あかね色に「福島の明日が晴れるように」との思いをこめて振袖を織り上げていきます。一緒に糸を紡いできたメンバーは「私たちの紡いだ糸が形になると思うだけで、わくわくする」と仰っていました。

手間と時間のかかる大変な作業でも、福島を想う気持ちに一織り一織りがとても楽しい作業に見えます。